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<h2>はじめに</h2>

<p>こんにちは！<br />
プラットフォーム事業本部 ペイメントサービス部の北澤、柏熊です。<br />
ペイメントサービス部では、dmm4all.topのあらゆるサービスを支える課金プラットフォームを提供しています。</p>

<p>私達は、2018年12月15日に開催された「Developers Boost」に登壇しました。今回は登壇内容を補足しつつ、皆さんにご紹介したいと思います。&nbsp;</p>

<div data-oembed-url="https://event.shoeisha.jp/devboost/20181215">
<div>
<div style="left: 0; width: 100%; height: 0; position: relative; padding-bottom: 52.5%; padding-top: 120px;"><iframe allowfullscreen="" src="//if-cdn.com/J6fNl3a?app=1" style="top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; position: absolute; border: 0;" tabindex="-1"></iframe></div>
</div>
<script async="" charset="utf-8" src="//if-cdn.com/embed.js"></script></div>

<p><a href="https://event.shoeisha.jp/devboost/20181215" target="_blank">event.shoeisha.jp</a></p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>登壇概要</h2>

<p><br />
登壇内容は「dmm4all.topの課金プラットフォームにおけるサーバーサイドKotlin事情」でした。</p>

<div data-oembed-url="https://speakerdeck.com/kashiwagumahiro/dmm-dot-comfalseke-jin-puratutohuomuniokerusabasaidokotlinshi-qing">
<div>
<div style="left: 0; width: 100%; height: 0; position: relative; padding-bottom: 56.1972%;"><iframe allowfullscreen="" scrolling="no" src="//if-cdn.com/gN3f9k7" style="top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; position: absolute; border: 0;" tabindex="-1"></iframe></div>
</div>
</div>

<p><a href="http://speakerdeck.com" target="_blank">speakerdeck.com</a></p>

<p>ペイメントサービス部では複数のプロダクトでサーバーサイドKotlinを用いたAPI開発を行っています。その中で得た知見を共有することで、サーバーサイドKotlinを採用するか判断に迷っている人たちの参考になればと思い、発表しました。&nbsp;</p>

<p>大きく以下３つの観点でお話しました。</p>

<ul>
	<li>なぜKotlinを採用したのか？</li>
	<li>実際に使って気づいた良い点・使いづらい点について</li>
	<li>採用した結果、どのような効果が得られたか？&nbsp;</li>
</ul>

<p>&nbsp;</p>

<h2>なぜKotlinを採用したのか？</h2>

<p>採用した理由は３つあります。&nbsp;</p>

<h3>新しいことやってみたい</h3>

<p>課金プラットフォームでは、理にかなっていれば技術選定が自由です！<br />
KotlinはJavaと100％互換をうたっているので、Javaのライブラリを再利用できます。<br />
また、Javaと比べて便利な機能が備わっており、コード量の削減が期待できるという点から、理にかなっていると判断しました。 &nbsp;</p>

<h3>今後長く使える言語</h3>

<p>Kotlinは2017年5月のGoogle IOにて、Androidの公式言語に採用されました。<br />
また、KotlinはJetBrains社によって開発・メンテナンスされています。<br />
このことから、言語自体がメンテナンスされなくなってしまい、プロダクトに悪影響を及ぼす可能性が低いと判断しました。 &nbsp;</p>

<p>&nbsp;</p>

<h3>Javaエンジニアにとって習得が容易</h3>

<p>現在、課金プラットフォームの過半数がJavaエンジニアです。<br />
KotlinはJavaとの互換性があり、IDEでのJava&rarr;Kotlin変換も可能です。<br />
Javaを知っているエンジニアにとって習得が容易なため、負債となってしまうリスクが低いと言えます。</p>

<p><br />
以上3つの理由から採用に至りました。&nbsp;</p>

<h2>実際に使って気づいた良い点・使いづらい点について</h2>

<p>登壇ではJavaと比較して４つの良い点と、１つの使いづらい点をお話しました。<br />
ここではそれぞれ、１つずつ抜粋してご紹介します。 &nbsp;</p>

<h3>良い点： null safety</h3>

<p>Kotlinは、NullPointerExceptionをコンパイル時に防ぐことができます。<br />
Javaから来た人は「結構イケてる！」 と感じるのではと思います。&nbsp;</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="170" src="https://image.dmm-corp.com/qaru1u4aguh986wus6kamx2hsy11" width="800" /></p>

<p>上記例はごく簡単なものですが、 nullReturnMethod() が nullを返し、String型の変数に代入し、 toLowerCase()を呼び出しています。</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="243" src="https://image.dmm-corp.com/xqtldbhv2l8k9uhk1gi2iklyxlu1" width="800" /></p>

<p>Javaはもちろん、toLowerCase関数を呼び出す部分で実行時にNullPointerExceptionになります。<br />
しかし、Kotlinは変数代入時にコンパイルエラーになってくれます！<br />
これはこれで良いのですが、現実的にはnullを扱いたい場合があるため、このままでは困ってしまいます。</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="245" src="https://image.dmm-corp.com/esrqgbnez5xn5xf9o2dypi4t3mc1" width="800" /></p>

<p>これに対応するには、 変数の型へ「?」を付与します。<br />
こうすることで、変数にnullが入る可能性を表現できます。<br />
これにより、変数代入のときのコンパイルエラーは解消されます。&nbsp;</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="237" src="https://image.dmm-corp.com/kk8hd7qz6jd65oikfc5us0e8q1xf" width="800" /></p>

<p>しかし、今度はtoLowerCase関数を呼び出す部分で、コンパイルエラーに変わります。</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="247" src="https://image.dmm-corp.com/u8qcwmqwar5jzml8shuowowvr0vb" width="800" /></p>

<p>これを解消するには、safe call演算子を使います。<br />
これを使うと、変数の中身がnull 以外の場合のみ、関数を実行するようになります。<br />
（Javaのif文で null 判定し、null ではない場合にメソッド実行する処理と同じ）</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="244" src="https://image.dmm-corp.com/8192hr9nxu9p15ayuc8mmybtezj2" width="800" /></p>

<p>また、エルビス演算子を使うことで変数がnullの場合のデフォルト値を指定することもできます。<br />
ちなみにJavaでも同じ処理を書くとKotlinと比較してコード量が多く辛いものになります&hellip;。</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="297" src="https://image.dmm-corp.com/furnjrxft91h0x1aehdukpczr503" width="800" /></p>

<p>大きな違いとしては、Kotlinでは<strong>nullを扱う時にコンパイル時にチェックしてくれる点</strong>です。これによって、早く・安全に開発できるかなと思います。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h3>使いづらい点： nullを扱うライブラリと相性が良くない</h3>

<p>使いづらい点として、Nullを扱うライブラリとの相性が良くないという点を紹介します。テストコードでMockito*1を利用して一部の挙動をMock化する例をあげます。</p>

<p>今回の例ではデータベースからデータを取得するhistoryRepositoryをMock化します。<br />
着目する点はMockito.any()がnullをreturnするところです。</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="219" src="https://image.dmm-corp.com/l463vdtxl8zfcv5l5r8h7h5yym5m" width="800" /></p>

<p>先ほどあげたKotlinの便利なところでnull safetyを説明しましたが、Kotlinではnullを許容していない場合、例外になってしまうので正しくテストが実行できません。</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="209" src="https://image.dmm-corp.com/ve2u0cfaci8fo90ldygv6mcco4di" width="800" /></p>

<p>これに対応するため、私達はnullを考慮したライブラリである mockito_kotlin *2 を使用することで回避しました。もちろん、同様の処理を自作することでも回避可能です。</p>

<p>今回はMockitoの事例でしたが、他のJavaのライブラリでも同じことが言えるので注意が必要です。</p>

<p>&nbsp;</p>

<h2>実際に導入した結果どうなったか</h2>

<p>続いて、実際にプロダクト開発に導入した結果どうなったかをお話します。&nbsp;</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="384" src="https://image.dmm-corp.com/399qg0zcmidpw3xetg7oiouxyb41" width="800" /></p>

<p>課金プラットフォームでは約13％のプロダクトにKotlinを採用しています。Kotlinを採用しているプロダクトの例としてDMMポイントを操作するAPI（以降、ポイントAPI）を紹介します。&nbsp;</p>

<p>ちなみに、DMMポイントとはDMMで1ポイント1円として利用できるポイントサービスです。詳しくは無料のマンガで紹介していますので、よろしければご覧ください！</p>

<div data-oembed-url="https://book.dmm4all.top/product/532589/b320admm00002/">
<div>
<div style="left: 0; width: 100%; height: 170px; position: relative;"><iframe allowfullscreen="" src="//if-cdn.com/dD662OL?app=1" style="top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; position: absolute; border: 0;" tabindex="-1"></iframe></div>
</div>
<script async="" charset="utf-8" src="//if-cdn.com/embed.js"></script></div>

<p><a href="http://book.dmm4all.top" target="_blank">book.dmm.com</a></p>

<p>DMMポイントは1ヶ月で70億円を売り上げ、500万リクエストをさばいている非常に大規模なプラットフォームです。<br />
このDMMポイントを操作するポイントAPIの一部をKotlinでリプレイスしました。<br />
リプレイス前は以下のような課題があり、リードタイムが長い状態でした。</p>

<ul>
	<li>一般的でない技術を使用していることで改修コストが高い</li>
	<li>レガシーなミドルウェアと強く結合していることで保守コストが高い</li>
</ul>

<p>これらの問題を解決してリードタイムを短くするためにリプレイスを実施しました。&nbsp;</p>

<p style="text-align:center"><img alt="" height="337" src="https://image.dmm-corp.com/mmnpurjenitpqiudpctkl23prh9s" width="800" /></p>

<p>全11種類のAPIのビジネスロジックを4名のKotlin未経験のエンジニアで開発しました。2ヶ月間という短い期間で開発できましたが、それはKotlinの採用理由にもあった、JavaエンジニアのKotlin学習コストが低いメリットを活かせた結果だと考えています。<br />
また、Kotlinを採用したことでビジネスロジックのコード量を31％削減することに成功しました。コード量が減ったことで可読性が向上して保守しやすい状態になったと考えています。</p>

<h2>まとめ</h2>

<p>「新しいことをやってみたい！」からKotlinにチャレンジしました。<br />
ちょっと注意が必要な点もありましたが、それを上回る多くの恩恵を受けることができました。<br />
また、Kotlin未経験のメンバーだけでも、短い期間で成果を上げることができました。<br />
サーバーサイドKotlinに興味のある方はぜひお試しください！</p>

<h2>登壇してみて</h2>

<p>北澤・柏熊の2人とも初めての社外登壇を経験できました。<br />
業務と両立しながらの資料作成だったので大変でしたが、登壇後に参加者の方と情報交換ができたので良かったです！</p>

<h2><br />
おわりに</h2>

<p>採用情報をお伝えします。 北澤と柏熊が所属するプラットフォーム事業本部 ペイメントサービス部では、一緒に働く仲間を募集しています。<br />
年間2,110億円超の売上を誇る「dmm4all.top」の約50％の決済を支える「DMMポイント」プラットフォームを一緒に創造していきましょう！</p>

<p>&nbsp;</p>

<blockquote>
<p>*1:https://github.com/mockito/mockito</p>

<p>*2:https://github.com/nhaarman/mockito-kotlin</p>
</blockquote>


dmm4all.topの課金プラットフォームにおけるサーバーサイドKotlin事情【Developers Boost 〜U30エンジニアの登竜門〜】

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